「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」。四柱推命や干支の話になるとよく出てくる10個の漢字ですが、「読み方は?」「それぞれどんな意味?」「自分はどの干なの?」と、立ち止まってしまった方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。十干(じっかん)は、木・火・土・金・水の五行をそれぞれ陽と陰に分けた、10種類の符号です。もともとは日を数えるための記号でしたが、のちに陰陽五行と結びついて、自然のものになぞらえた「象意」で語られるようになりました。ただし、その象意や性格の読み方は、流派や解説によって表現が異なります。この記事では「古典ではこうした性質になぞらえられます」という整理として、気楽にお読みください。
そして、占いで「あなたの十干」と言うとき、多くの場合は生まれ年ではなく生まれた日の十干(日干)のことです。調べ方は、万年暦や無料の命式ツールに任せるのが確実です。当サイトの陰陽五行説と生年月日で体質診断|五行バランスを整えるヒントや【2026年版】生年月日占い無料|陰陽五行で性格・運勢を徹底診断もあわせてご活用ください。
この記事でわかること
- 十干10種類の読み方と、陰陽×五行の組み合わせ表
- 十干のもともとの意味と、日本の「えと」との関係
- 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸、それぞれの象意(自然物のたとえ)
- 「日干」とは何か、自分の日干の調べ方
- 五行ごとの性格記事へのつながり方

十干とは?甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の基本
十干は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素からなる集合で、古代中国で考えられ、日本へ伝えられました。十二支と合わせて「干支(かんし・えと)」と呼ばれ、暦の表示などに使われます(Wikipedia「十干」)。干を支の前に書くことから、天干(てんかん)とも呼ばれます。
国立国会図書館の「日本の暦」によれば、十干はもともと、日を10日のまとまりで数えるための呼び名(符号)でした。10日を一旬とし、3つの旬(上旬・中旬・下旬)で1ヶ月になるため、広く使われていたとされています。現在も「上旬・中旬・下旬」という言い方が残っているのは、この名残とも考えられます。
のちに陰陽五行説と結びつき、十干は五行に2つずつ割り当てられるようになりました。さらに日本では、陽を「兄(え)」、陰を「弟(と)」に見立てて、たとえば甲を「木の兄(きのえ)」、乙を「木の弟(きのと)」と呼ぶようになりました。「干支」を「えと」と読むのは、この「兄・弟(え・と)」に由来するとされています。
なお、相生・相剋など五行そのものの関係を先に押さえておきたい方は、陰陽五行の相生と相剋とは|関係図と恋愛・人間関係への活かし方をご覧ください。
十干の一覧表|陰陽×五行で整理する
十干は「五行(木・火・土・金・水)×陰陽(陽・陰)」の10通りで整理できます。読み方と対応を、下の表にまとめました(国立国会図書館「日本の暦」の十干表にもとづく)。
| 十干 | 音読み | 訓読み | 五行 | 陰陽 |
|---|---|---|---|---|
| 甲 | こう | きのえ | 木 | 陽(兄) |
| 乙 | おつ | きのと | 木 | 陰(弟) |
| 丙 | へい | ひのえ | 火 | 陽(兄) |
| 丁 | てい | ひのと | 火 | 陰(弟) |
| 戊 | ぼ | つちのえ | 土 | 陽(兄) |
| 己 | き | つちのと | 土 | 陰(弟) |
| 庚 | こう | かのえ | 金 | 陽(兄) |
| 辛 | しん | かのと | 金 | 陰(弟) |
| 壬 | じん | みずのえ | 水 | 陽(兄) |
| 癸 | き | みずのと | 水 | 陰(弟) |
並び方にはルールがあり、「木の陽→木の陰→火の陽→火の陰……」と、五行が相生の順(木→火→土→金→水)に進み、それぞれ陽・陰の順で並んでいます。この規則性を知っておくと、10個の漢字がぐっと覚えやすくなります。
ちなみに、陽と陰の違いは、一般に「陽は外向き・能動的、陰は内向き・受動的」といった傾向で語られます。ただし、どちらが良い・悪いということではなく、自然にしているときに外へ向かうか内へ向かうかの違い、と説明する解説もあります。

十干の象意|自然のものになぞらえた10のイメージ
占いの世界では、十干はそれぞれ自然界のものにたとえられます。これを「象意(しょうい)」と呼びます。ここでは複数の解説で共通して見られるたとえを中心にまとめます。
一つお断りしておくと、Wikipediaには「十干の本義は、『釈名』や『史記』などによれば生命消長の循環過程を分説したもので、実際の木、火、鼠、牛といった存在に直接関係のあるわけではない」との記述があります。つまり、「甲=大樹」「丙=太陽」といったたとえは、後世にわかりやすく広まった読み方の一つです。同じ十干でもたとえが少しずつ違う解説があるため、あくまでイメージの手がかりとして受け取ってください。
| 十干 | 陰陽五行 | よく使われるたとえ | 語られる傾向の例 |
|---|---|---|---|
| 甲(きのえ) | 陽の木 | 大樹 | まっすぐ伸びていくイメージ。曲がったことが苦手、と語られる |
| 乙(きのと) | 陰の木 | 草花 | やわらかくしなやか。環境になじみ、仲間とともに進む、と語られる |
| 丙(ひのえ) | 陽の火 | 太陽 | 明るく裏表がない、にぎやかさを好む、と語られる |
| 丁(ひのと) | 陰の火 | 灯火(月・ともし火とする解説もある) | 控えめで温厚、繊細で内省的、と語られる |
| 戊(つちのえ) | 陽の土 | 山 | どっしり構える、重厚で人を惹きつける、と語られる |
| 己(つちのと) | 陰の土 | 田畑 | おだやかで、人を育てることが得意、と語られる |
| 庚(かのえ) | 陽の金 | 鉄・刀剣 | 決めたら貫く強さ、鋭さ、と語られる |
| 辛(かのと) | 陰の金 | 宝石 | 繊細な感性、磨かれて輝く、と語られる |
| 壬(みずのえ) | 陽の水 | 大河(海とする解説もある) | 包容力があり、ダイナミック、と語られる |
| 癸(みずのと) | 陰の水 | 雨露(雨) | まわりを潤し癒す、学ぶことが好き、と語られる |
右端の「傾向」は、四柱推命を解説する複数の協会・暦の解説をもとにまとめた一例です。「甲の人は必ずリーダーになる」のように断定できるものではなく、同じ日干でも、ほかの要素との組み合わせや経験によって表れ方は人それぞれです。「あ、ここは当てはまるかも」と感じた部分だけを、自己理解のヒントにしてください。
各干の特徴を、五行ごとにもう少し詳しく
ここからは、五行のペアごとに、陽と陰の違いを見ていきます。五行ごとの性格については、それぞれ詳しい記事がありますので、気になるところへ進んでみてください。
木の十干:甲(陽)と乙(陰)
甲は大樹、乙は草花にたとえられます。どちらも「伸びていく」木の性質を持ちつつ、甲は幹をまっすぐ伸ばして立つイメージ、乙は環境に合わせてしなやかに育つイメージで語られます。五行・木のエレメントの性格とは?木タイプの特徴・強み・課題を解説【陰陽五行】で、木全体の持ち味を詳しく解説しています。
火の十干:丙(陽)と丁(陰)
丙は太陽、丁は灯火(月・ともし火とする解説もあります)にたとえられます。広く世界を照らす太陽と、手元をそっと照らす灯り、という対比でイメージされることが多い組み合わせです。陰陽五行「火」の性格|丙・丁タイプの特徴と5つの相性を解説もあわせてどうぞ。

土の十干:戊(陽)と己(陰)
戊は山、己は田畑にたとえられます。動かず受け止める山と、作物を育てる田畑、という対比です。どちらも「土台」を連想させる干で、陰陽五行【土】の性格診断|土エレメントの特徴・強み・弱みを徹底解説で土全体の傾向を確認できます。
金の十干:庚(陽)と辛(陰)
庚は鉄や刀剣、辛は宝石にたとえられます。原石から切り出された鉄の力強さと、磨かれて輝く宝石の繊細さ、という対比で語られることがあります。金のエレメントの性格とは|陰陽五行「金」が持つ本質と特徴を解説に、金の持ち味をまとめています。
水の十干:壬(陽)と癸(陰)
壬は大河(海とする解説もあります)、癸は雨露にたとえられます。悠々と流れる大きな水と、しっとり降りて潤す小さな水、という対比です。陰陽五行「水」の性格とは|水タイプの特徴・強み・弱みを解説で水のエレメントを詳しくご覧いただけます。
「日干」とは?自分の十干はどれを見ればいい?
「自分の十干」と一口に言っても、見る場所が複数あります。四柱推命では、生まれた年・月・日・時のそれぞれに「十干+十二支」のペア(柱)を置いて命式を作ります。そのうち日柱の十干を「日干」と呼び、命式の中で「自分自身」を表す中心の星として最初に見る、と説明されています(四柱推命協会の解説より)。
- 年の十干:生まれ年の干支(年柱)の十干。2月の立春を境に切り替わる流派が多いとされる
- 日の十干(日干):生まれた日の干支(日柱)の十干。占いで「あなたの十干」と言うときは、多くがこちら
- 月・時の十干:月柱・時柱の十干。生まれた月や時間から決まる
日干は、生まれ年の十干(10年で一巡)と違い、日ごとに10日周期で巡ります。そのため、同じ年生まれでも、生まれた日によって日干は変わります(10日ごとに同じ日干が巡ります)。立春や節入りで切り替わるのは年柱・月柱で、日干は日ごとに決まります。
日干の読み方は、日干だけで性格を決めるものではありません。命式全体のバランスや、ほかの柱との関係もあわせて読むのが一般的だとされています。ひとつの手がかりとして、「自分の中心のイメージ」を知る入口にしてください。
自分の日干の調べ方
方法①:万年暦・無料の命式計算ツールで調べる
もっとも確実なのは、万年暦や干支カレンダー、命式計算ツールで、生まれた日の「日干支」を確認する方法です。日干支は60日ごとに循環し、基本的には万年暦などの資料を参照して調べるものとされています。年月を選ぶと日ごとの干支が分かるカレンダーや、生年月日から命式を出すツールとしては、たとえば次のようなものがあります。
- 干支カレンダー(高精度計算サイト keisan):年・月・日の干支を表示できる
- 命式計算機(Magic Wands):生年月日(と、分かれば生まれ時間)から命式を出せる
出た日干支は「甲子」「乙丑」のように2文字で表示されます。その1文字目が、あなたの日干です。たとえば「庚午」なら、日干は庚(陽の金)です。
注意したい点が2つあります。ひとつは、日柱の切り替わり時刻です。「23時から翌日として扱う」流派と「0時から」とする流派があり、ツールによって採用が異なります。夜遅く生まれの方は、結果が違って見えることがあります。もうひとつは、ツールごとの暦の扱いの違いで、運営元の注意書きにも「実際に規定された過去の日付と異なる可能性がある」と記載があります。気になる場合は、複数のツールで見比べてみてください。
日干とは別に、陰陽五行の傾向を眺めたい方へ
当サイトの診断ツールでは、日干(日柱の十干)は調べられません。四柱推命の命式とは別の、陰陽五行をもとにした読み物としての診断です。日干を調べたあとに、五行の傾向をざっくり眺めたい方は、あわせてお使いください。
流派やツールによって、算出方法や表現は異なります。診断結果は「いまの診断ではこう出た」という目安として、気軽に受け取ってください。
おまけ:日干は「10日周期」で巡る
日の十干は、甲→乙→丙……→癸と進み、また甲に戻ります。10日で一巡するため、基準になる日がひとつ分かれば、そこから数えて日干を割り出すこともできます。
たとえば、2026年10月22日の日干は「己」です。10日周期で巡るので、10日前の10月12日も、10日後の11月1日も、同じ「己」の日になります。ほかの日は、基準日からの日数を数えて、一の位ぶんだけ十干を進めたり戻したりすれば求められます。ただし、数え間違いや、日が替わる時刻(23時か0時か)の扱いで、ずれることもあります。大切な場面では、必ず万年暦かツールで確認してください。

十干を知ったあとの楽しみ方
- 日干の象意から、自分の「中心イメージ」を言葉にしてみる(例:太陽のように、灯りのように、など)
- 家族や友人の日干も調べて、五行の相生・相剋の関係で眺めてみる
- 五行ごとの性格記事に進み、陽と陰の違いを比べてみる
人間関係に当てはめる場合も、「この組み合わせだから合わない」と決めつけるのではなく、お互いの持ち味の違いに気づくヒントとして使うのがおすすめです。
十干についてよくある質問
Q. 十干と十二支はどう違いますか?
十干は10種類、十二支は12種類の別の符号の並びです。両方を1つずつ同時に進めて組み合わせると、甲子から癸亥までの60通り(六十干支)になります。これが一巡すると、還暦にあたります(国立国会図書館「日本の暦」より)。
Q. 「甲乙つけがたい」の甲乙は、十干のことですか?
はい、十干の最初の2つです。十干は順位や等級を表す符号としても使われ、焼酎の甲類・乙類や、資格の甲種・乙種などにも使われています(Wikipedia「十干」より)。
Q. 生まれ年の十干と、日干はどちらが大事ですか?
どちらが優れているということはなく、見る目的が違います。四柱推命では、日柱の十干(日干)を「自分自身」を表す中心として最初に読むとされています。一方、年の十干は、年柱(生まれ年)として読まれます。
Q. 解説によって象意(たとえ)が違うのはなぜですか?
十干の象意は、古い文献の記述に、後世の解説者がわかりやすいたとえを加えて広まったものが多く、流派や解説によって表現が少しずつ異なります。たとえば丁は「灯火」とする解説も「月・ともし火」とする解説もあります。どれか一つが唯一の正解というわけではないため、複数を見比べて、しっくりくるものを手がかりにしてください。
Q. 日干の性格が当てはまらない気がします。
性格の読み方は傾向であり、人の性格をすべて言い当てるものではありません。当てはまる部分があれば楽しみ、そうでない部分は気にしなくて大丈夫です。命式は日干のほかにも多くの要素で構成されています。
まとめ:十干は「五行を陽と陰に分けた10の物語」
- 十干は、木・火・土・金・水を陽(兄)と陰(弟)に分けた10種類の符号
- もとは日を10日単位で数えるための記号で、のちに陰陽五行と結びついた
- 甲=大樹、乙=草花、丙=太陽、丁=灯火、戊=山、己=田畑、庚=鉄、辛=宝石、壬=大河、癸=雨露、というたとえが広く使われるが、解説により表現は異なる
- 占いで「自分の十干」と言うときは、多くが生まれた日の十干(日干)
- 日干は万年暦や無料の命式ツールで確認できる
十干は、10個の漢字ですが、その背景には「自然のなかに自分を見つける」という、やさしい発想が流れています。まずは日干を調べて、自分の中心にある風景を思い描いてみてください。それだけで、いつもの自分が少し違って見えてくるかもしれません。
あわせて読みたい関連記事
参考文献
- 干支①六十干支 – 日本の暦(国立国会図書館)
- 十干 – Wikipedia
- 十干 – コトバンク(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典ほか)
- 【日干編】四柱推命の命式からあなたの日干を調べてみよう(優しい四柱推命・四柱推命協会)
- 十干(じっかん)完全ガイド(福カレンダー)
- 十干とは?順番・読み方・陰陽五行と四柱推命での見方(OpenFate Wiki)
- 干支カレンダー(高精度計算サイト keisan)
- 命式計算機(Magic Wands)
- 四柱推命 – コトバンク
免責事項
本記事で紹介している十干・陰陽五行・四柱推命の読み方は、占術の伝統的な解釈にもとづく一般的な傾向であり、科学的に証明されたものではありません。特定の人物の性格・運勢を断定するものではなく、結果を保証するものでもありません。象意や性格の表現は流派・解説によって異なります。日干の算出は暦の扱いや日の切り替わり時刻の違いで結果が変わる場合があるため、大切な場面では複数のツールや万年暦でご確認ください。心身の不調や、お金・法律に関わる判断を占いの結果に委ねることはお控えください。
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