2026年の冬至は、12月22日(火)の5時50分です。国立天文台の暦要項によると、この瞬間に太陽が黄経270度に達し、一年でもっとも昼が短く、夜が長い日を迎えます。
ただ、冬至は単に「暗い日」ではありません。古い易の考え方では、陰がきわまったその底で、小さな陽がふたたび生まれる日とされてきました。それが「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉です。
この記事では、冬至の日付と意味、一陽来復の出どころ、陰陽五行で読む「運気の切り替わり」、ゆず湯やかぼちゃの由来、そして今年の冬至の過ごし方まで、順にまとめます。占いとして楽しみつつ、文化として知っておくと少し心が整う内容を目指しました。
この記事の結論
- 2026年の冬至は12月22日(火)5時50分(国立天文台の暦要項より)
- 一陽来復は『易経』の「復」の卦に由来する言葉で、冬至を指す
- 『易経』の象伝には、冬至に旅などを控えたという記述がある
- 開運のコツは、頑張るより「静かに整えて、来年の種をまく」こと

冬至とは?2026年の日付と時刻
冬至は二十四節気のひとつで、太陽の黄経が270度になる瞬間を指します。北半球では、太陽の通り道がもっとも低くなり、昼の時間が一年でいちばん短くなります。
2026年は、国立天文台の令和8年暦要項で12月22日(火)5時50分と発表されています。前後の年を見ると、2024年は12月21日、2025年は12月22日でした。冬至は毎年同じ日とは限らず、21日になる年と22日になる年があります。
なお、冬至は「その瞬間」を指す場合と「その瞬間を含む日」を指す場合があります。暮らしの行事としては、12月22日の一日を冬至として過ごせば問題ありません。
一陽来復の意味|『易経』の復卦が語る冬至

「一陽来復」とは、冬至のこと。転じて、冬が去って春が来ること、悪いことが続いたあとに良いことが巡ってくることを意味します。デジタル大辞泉などの辞書にも、そうした意味が載っています。
出どころは、占いの古典『易経』の第24番目の卦「復(ふく)」です。形は「地雷復」と呼ばれ、上に坤(地)、下に震(雷)が重なります。六本の線のうち、いちばん下の一本だけが陽、残りの五本はすべて陰という姿をしています。
真っ暗に近い陰のなかで、いちばん下にぽつんと陽がひとつ戻ってくる。これが冬至のイメージです。易では一年を十二の卦で表す「十二消息卦(じゅうにしょうそくけ)」という考え方があり、旧暦10月は陰だけの「坤」、冬至を含む旧暦11月が一陽の「復」にあたります。反対に、夏至は一陰が生まれる「姤(こう)」とされます。
卦辞にある「七日来復」
復の卦辞には「反復其道、七日来復」という一節があります。道を行き来して、七日で戻ってくる、という意味合いです。この「七日」の読み方には諸説あり、陽が戻るまでの周期とする見方や、物事が巡る過程や忍耐を表す比喩とする見方などがあります。ここでは断定せず、「戻るには時間の流れがある」という含みとして受け取っておきましょう。
象伝にある「至日閉關」|冬至は動くより整える日
私がこの卦でいちばん面白いと感じるのは、象伝の一節です。「雷在地中、復。先王以至日閉關、商旅不行、后不省方」。大意は、雷が地中にある姿が復であり、昔の王は冬至の日に関所を閉ざし、商人や旅人は動かず、君主も地方の巡視をしなかった、というものです。
生まれたばかりの小さな陽は、まだ弱い。だから動き回らず、静かに守り育てる。『易経』の象伝には、冬至に関所を閉じて旅や巡視を控えたという記述があり、これを「静かに陽を養う」と読む解釈が一般的です。ここが、この記事の過ごし方の軸になります。
陰陽五行で読む冬至|陰極まれば陽生ず
ここからは、陰陽五行の見立てで冬至を読み解きます。伝統的な配当にもとづく解釈で、医学的な効能を述べるものではありません。
陰陽|夜が極まった翌日から、昼は伸びていく
陰陽でいえば、夜が一年でもっとも長い冬至は「陰の極み」です。そして翌日から昼は少しずつ伸びていく。「陰極まれば陽生ず」という言葉どおり、極まった場所が、そのまま転換点になります。
調子が上がらない時期や、何も進んでいない感覚のときほど、水面下では切り替わりの準備が進んでいる。そんなふうに自分の状態を重ねて読むと、冬至は少し優しい日に見えてきます。
五行|冬は「水」、次に育つのは「木」

五行では、冬は「水」に配されます。方角は北、色は黒、人体では腎に対応させるのが伝統的な配当です。水の気がピークを迎えるのが冬至あたり、と見立てることができます。
そして五行には、水が木を育てる「水生木(すいしょうもく)」という関係があります。水は次の季節である春、つまり「木」を生み育てる存在です。冬至は、深く静かな水が、春の芽に向けて動き出す準備を始める時期。そう読むと、冬至の過ごし方は「溜める」「潤す」「休ませる」と相性がよいことがわかります。
また、冬至の風習に登場する小豆は赤い色をしています。赤は火の色で、水の極みに火の色を添えて温かさや厄除けを足す、という見立ても成り立ちます。小豆の赤を、水の極みに添える火の色として楽しむくらいの見方で十分です。
運気の切り替わりは二回ある
四柱推命や風水など、暦で運気を読む占いでは、年の区切りは立春とするのが一般的です。一方、易の暦観では、冬至が「陽の起点」になります。
つまり、冬至は陽の兆しが生まれる日、立春は暦の上で年が替わる日。切り替わりの点が二つあると考えると、冬至から立春までは「兆しを育てる助走期間」として過ごせます。年末年始のバタバタで何かを決めきれなくても、焦らなくて大丈夫です。
来年の流れをあらかじめ知っておきたい方は、2027年の運勢(丁未の年)もあわせてどうぞ。
ゆず湯・かぼちゃ・小豆の由来
冬至といえば、ゆず湯とかぼちゃを思い浮かべる方が多いはずです。どれも冬至の風習として親しまれてきたもので、由来には諸説あります。ここでは「こう言われている」という範囲でご紹介します。
ゆず湯
ゆず湯の由来としてよく挙げられるのが、語呂合わせです。「冬至」と「湯治」、「柚子」と「融通が利く」をかけたもので、江戸時代の銭湯を通じて広まったといわれます。ほかに、身を清める禊(みそぎ)の名残とする説もありますが、はっきりした資料で確かめられたものではなく、説のひとつとして紹介しておきます。
柚子が冬に旬を迎える柑橘であること、香りが強く、その香りが邪気を払うと考えられてきたことは、多くの解説で共通しています。体を温めて、香りで気分を切り替える習慣として楽しむのがおすすめです。肌が敏感な方は、皮膚への刺激になることがあるため、様子を見ながら無理のない範囲で取り入れてください。
かぼちゃ(なんきん)と運盛り
かぼちゃは夏の野菜ですが、保存がきき、貯蔵することで甘みが増すといわれます。農林水産省の「おいしい和食」のページでも、β-カロテンやビタミンCが豊富で、冬に取り入れたい食材として紹介されています。冬の時期に野菜を確保するための保存食だった、という通説もありますが、由来の定説までは示されていないので「といわれる」程度に受け取っておきましょう。
かぼちゃは「南瓜(なんきん)」とも呼ばれ、「ん」が重なることから運を呼び込む縁起物、いわゆる「運盛り」のひとつとされてきました。運盛りとして挙げられるのは、なんきん、れんこん、にんじん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うんどんの「冬至の七種」です。いずれも「ん」がつく食べ物で、語呂を楽しむ風習といえます。
小豆粥・いとこ煮
小豆の赤い色は、古くから魔除けの色とされてきました。中国には、疫病をもたらす鬼が赤小豆を嫌ったので、冬至に小豆の飯を炊いて防いだ、という俗伝が伝わっています。日本では、冬至に粥を食べる用例が18世紀の書物『交隣須知』に見られると、辞書類で紹介されています。
かぼちゃと小豆を一緒に煮る「いとこ煮」は、かぼちゃで運を呼び、小豆で厄を払うという組み合わせとして知られます。地域によって、小豆粥を食べる土地、かぼちゃを食べる土地、いとこ煮が親しまれる土地とさまざまで、家ごとのスタイルがあるのも冬至らしいところです。
これらの風習について、「食べたら病気をしない」「入れば風邪をひかない」といった効果を保証することはできません。冬至の風習として親しまれてきた、季節の楽しみとして捉えるのがちょうどいい距離感です。
| 風習 | 言われている由来 | 取り入れ方のヒント |
|---|---|---|
| ゆず湯 | 冬至と湯治、柚子と融通の語呂合わせ(諸説あり) | 香りを楽しむ。肌が敏感な人は様子を見る |
| かぼちゃ | なんきんの「ん」を重ねる運盛り、保存食とも | 煮物やスープなど好みの形で |
| 小豆 | 赤い色が魔除けとされた | 粥やいとこ煮で。甘味が控えめだと食べやすい |
冬至の開運の過ごし方|静かに整える5つのこと

象伝の「至日閉關」を現代の暮らしに置き換えると、冬至は動くより整える日です。ここからは、無理なくできる過ごし方を五つ挙げます。どれも「やらなければ運気が下がる」というものではなく、気持ちの切り替えのきっかけとして取り入れてください。
- 予定を詰め込まず、早めに休む。夜がいちばん長い日に、あえて早寝をする。小さな陽を守る意味でも、一年を労う意味でも、この日だけは「何もしない時間」を予定に入れてみてください。
- 年末の掃除の仕上げをする。水回りや玄関など、ひとつだけ整えるのもおすすめです。場所ごとのコツは開運掃除の曜日・場所別ガイドが参考になります。
- 手放すものを選ぶ。陰がきわまる日は、古いものを手放すのにも向いている日です。断捨離のスピリチュアルな効果とあわせて、気持ちが軽くなるものから始めましょう。
- ゆず湯とあたたかい食事で体を休ませる。かぼちゃや小豆を使った一品に、温かい汁物を添えるだけでも十分です。食べ物を全部そろえなくても、気持ちが向いたものがひとつあれば大丈夫です。
- 来年の「種」をノートに書く。目標というより、芽が出てほしい方向をひと言ずつ。水が木を育てるように、静かな時間のなかで書いたものは、春にむけて気持ちを整える手がかりになるかもしれません。来年の流れは2027年の開運日カレンダーと照らして考えてみてください。
朝の過ごし方から整えたい方には、開運アクション・朝習慣5選もよく読まれています。冬至の翌朝から試すのにちょうどいい内容です。
一陽来復のお守りについて
冬至から節分にかけて授与される「一陽来復」のお守りで、東京・早稲田の穴八幡宮が知られています。金銀融通のお守りとも呼ばれ、冬至・大晦日・節分のいずれかの夜12時に、その年の恵方に向けて祀る、という作法が紹介されています。
ただし、授与の期間や日時、祀り方は神社ごとに異なる場合があります。公式では、冬至の場合は12月22日から23日に変わる瞬間の0時とされています。2026年の祀り方や頒布時間の詳細は、授与時の説明書と神社の案内を確認してください。
冬至についてのよくある質問
Q. 2026年の冬至は何日の何時ですか?
A. 国立天文台の暦要項によると、12月22日(火)5時50分です。
Q. 冬至が過ぎたらすぐに暖かくなりますか?
A. 昼の長さは翌日から少しずつ伸びていきますが、寒さの底はもう少し先になります。見えないところで回復が始まっている、くらいの感覚で過ごすのがちょうどいいでしょう。
Q. ゆず湯もかぼちゃも用意できなかったら運気が下がりますか?
A. そのようなことはありません。風習は気持ちを整えるための楽しみです。ゆずの代わりに好きな入浴剤、かぼちゃの代わりに温かいスープでも十分です。
Q. 一陽来復のお守りはいつから受けられますか?
A. 冬至から節分までの頒布で知られていますが、授与の日時や作法は神社の案内で確認してください。
まとめ|冬至は「頑張る日」ではなく「育てる日」
冬至は、陰がきわまって、小さな陽が戻る日です。『易経』の復の卦は、その陽がまだ弱いからこそ、動き回らず静かに養うことを教えてくれます。
陰陽五行の見立てでは、冬は水の気が満ちる季節で、その水が春の木を育てていきます。ゆず湯もかぼちゃも小豆も、そうした季節の切り替わりを、からだと心で感じるための身近な入口です。
2026年は12月22日の5時50分。その日だけは少し立ち止まって、来年の芽にそっと水をあげるような一日を過ごしてみてください。あなたの中の小さな陽が、春に向かってゆっくり育っていきますように。
参考文献
免責事項
本記事は、易・陰陽五行にもとづく占いの考え方と、冬至にまつわる風習を文化として紹介するものです。特定の効果や結果を保証するものではありません。ゆず湯や食べ物に関する内容は、医療的な効能を示すものではなく、体調や肌に不安のある方は医師などの専門家にご相談ください。日付・時刻は国立天文台が公表した令和8(2026)年暦要項にもとづきます。
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